ガザ地区 (Gaza Strip)
中東に位置し、地中海東岸に沿った長さ約50キロメートル、幅5~8キロメートルと細長いエリアに200万人以上が暮らしている. 南西はエジプト領シナイ半島と接する. 南西と北東にあるイスラエルとは激しく対立して分離壁や検問所による封鎖を受けており、爆撃・侵攻されることもあり、「天井のない監獄(牢獄)」とも呼ばれる.
イスラエルを挟んで内陸に存在するヨルダン川西岸地区とともにパレスチナ国を構成するが、政治的には分裂しており、ガザ地区はイスラム主義組織ハマース(ハマス)の統治下にある. イスラム聖戦など他の反イスラエル武装組織も活動している.
人口が急増しており、日本の東京都区部の約6割の面積に相当する約360 km2ほどの地域に暮らす住民は2016年10月、200万人を超えた. その8割が食料などの援助に依存し、失業率は50%近い以上. 国連人口基金の予測によると、2020年にガザ地区は「居住不能」レベルまで人が溢れ、2030年の人口は310万人に達する見通しである.
現在ガザ地区に住む人々の3分の2は1948年の第一次中東戦争によって発生したパレスチナ難民およびその子孫である. この難民問題の解決策は現在も決定していない. 上記のような人口急増に、度重なる紛争、イスラエルやエジプトによる輸出入の制限・封鎖により、民生は極めて劣悪な状況にある.
* 乳児死亡率: 1000人の子供の誕生に対して21.3人の死亡.
* 出生率: 女性1人当たり4.7人.
* 人口増加率: 2.8%.
* 火力発電所の燃料不足により、2017年時点で電力供給は1日4時間程度. 生活だけでなく医療に支障が出ているほか、下水処理場の停止でガザ沿岸は遊泳禁止レベルに汚染されていた.
* 地下水の塩水化や下水処理施設の機能不全で、ガザで供給される水の95%が汚染されており、病気の3割は水が原因だとされる(日本国際民間協力会による).